sv,etc セヴァル他 PIWIの仲間セヴァル主体に交配種ルビネ。開放桶で全房のまま足で潰し自発的な発酵。山椒的オレンジフレーバーに麝香も
<輸入元様資料より> ワインについて
Mlady Bocek 2022 ムラディ・ボチェック 750ml 赤
Sevar60%、Rubinet40%。収量は約60hl/ha。黄土。南向きの斜面。Mladýは若いという意味。Bočekはリチャードの誇るBočky畑。2012年に植樹したリチャードの実験的試み。SevarはPIWIの仲間、Rubinetは新しViniferaの交配種。ともにチェコで産まれた品種です。開放桶で除梗していないブドウを足でつぶしつつ自発的な醗酵を促し、房ごとマセレーション。14日間の発酵後、800lのオークの古樽に移し、バトナージュをしながら10カ月の熟成。ろ過はせずに瓶詰となります。22年はより軽くワインを作ることに注力したそうです。山椒のようなオレンジフレーバーにマスカット、バラやスミレetc。およそ赤ワインらしくない香りからスタートします。徐々にブルーベリー、ハスカップなどの香りが主体となり、漢方なども感じられます。しなやかなタンニンとリチャードらしい粘性のある液体との調和は見事。余韻には麝香も現れます。新しい品種の新しい赤ワインです。
<輸入元様資料より> 生産者について
Richard Stávek リチャード・スタベック
チェコ南モラヴィア州二ェムチチケ
気取らない性格でいかにも自由人といった風貌のRichard 。3 児の優しいパパであり、親切で愉快な人です。現在 40 歳前半の彼のワインに関する最初の思い出は、灌木に囲まれた父の畑で遊んでいた子供時代。 20 歳には園芸学とブドウ栽培を学び始め、その後ワイン専門誌の編集者となり、編集長まで務めます。ナチュラルな手法を使った植物の栽培については筋金入りで、編集者になった目的もナチュラルなブドウ栽培を広めることでした。
しかし、そもそもナチュラルな植物な栽培には並外れた努力、費やす時間が必要で、すべての人ができるものではありません。彼は編集者をやめ父の畑に戻り、自らがブドウ栽培、ワイン作りを始めることが、ナチュラルな栽培を広めていく早道であると考えました。
1995年から 2005 年までは試作としての少量生産。 2006年より少しずつ量を増やし、 2008 年からオーガニックなワイン生産者として正式にワイン販売を始めました 認証BIOKONT CZ )。彼の畑にはブドウだけではなく、あんずやプルーンなどが植樹され、山羊、馬を飼い、蜂の繁殖とハチミツの生産等も行っています。畑全体で新しいブドウ樹を増やしています。ブドウ樹同士の競争を促し、地中深くに根が伸びていくことを狙ってのことですが、それは、昨今の暖かい気候と降水量の減少を考えてみても正しい決断だと彼は考えています。現在最も密度が高いところで1 ha あたり“ 14000 本”です。畑の大方は草に覆われていますが、 30 %程度は鋤いて掘り起しをしています。冬には寒さを防ぐためにブドウ樹の周りに藁を敷きます。ビオディナミの手法は尊重しますが、一部の採用に留めているそうです。
手摘みで収穫したブドウを足でつぶします。除梗はしません。自発的な醗酵を促し、房ごとマセレーションをします。バトナージュをしながら 10 カ月の熟成。醸造中及びすべての工程で亜硫酸は加えません。一切のろ過などはせずに瓶詰となります。仕上がったワインはとろみを感じるほどにリッチです。Richardはワインに対して幅広い知識を持っており、現代醸造もカバーしたうえで、オーガニックの栽培を尊重・選択し、チェコの伝統に回帰してフィールドブレンドのワインを作ります。私たちは、彼のワインを一口飲めば、 Richard のワインに対する明瞭な志向性を理解することができます。現在 12000 本を生産していますが、どんなに多くても 20000本程度の生産にとどめるのだそう。“ワインは仕事だけど、趣味。でないと、作りたいワインは作れないよ”と彼は笑いながら教えてくれました。