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Hadrien Brissaud / Vezelay Come Guerin 2023 アドリアン ブリソー/ヴェズレイ カム ゲラン 白

ch シャルドネ  繊細な果実味と透明感が織りなす静かな調和。ブルゴーニュの新スター。収量減のため実が凝縮。ピーチ、アカシア、滑らかな質感

 

<輸入元様資料より> ワインについて

 

Vezelay Come Guerin 2023

ヴェズレイ・コム・ゲラン

 

【セパージュ】シャルドネ

【アルコール度数】14 %

【畑】石灰岩土壌、標高350 m、7,500本/ha、南-南東向き斜面

【栽培・醸造】手摘みで収穫。ダイレクトプレス。野生酵母を使用して発酵。マロラクティック発酵を行い、樽で熟成。40 %新樽

【年間生産量】1,306本

 

【コメント】アドリアンの自社畑のブドウ。2023年のヴェズレイはミルデューにより収量が80%減少した。そのため、残ったブドウは非常に凝縮感のある出来となった。酸の質感を残すためにセラミックタンクでゆっくりと発酵を行った。梨やピーチ、熟した柑橘系の果実、アカシアなど白い花を思わせる繊細さがありつつも、ほのかな丸みと滑らかさが全体を包み込んでいる印象。中程度の酸味と柔らかな質感が中盤から後半に広がり、石灰のミネラル感が余韻でバランスを整える。


<輸入元様資料より> 生産者について

 

Hadrien Brissaud

アドリアン・ブリソー

 

造り手:アドリアン・ブリソー国/地域:フランス/ブルゴーニュ

 

パリから家族のルーツがあるブルゴーニュへ

繊細な果実味と透明感が織りなす静かな調和

ブルゴーニュのニュースター誕生

 

-Story- 

モノとしてのワインから、物語としてのワインへ

「最初はワインを“物”として見ていた。でも次第に、土地や時間の記憶を宿した存在だと感じるようになった。」彼の最初のキャリアは、アートとワインを対象にした保険の分野だった。パリで共同設立した専門ブローカーAppia Art & Assurance では、美術館やギャラリーだけでなく、個人コレクターのワインセラーや貴重なヴィンテージボトルのリスク管理にも携わった。高額なボトル1本1本の来歴や状態、価値変動を精緻に評価するその仕事の中で、彼は次第にモノとしてのワインではなく、その背後にある土地・人・時間の物語に強く惹かれていくようになる。「ワインのなかに風景があると思った。静かな表情の奥に、何かがずっと語りかけてくるようだった。」ワインに心を奪われたアドリアンが新たな旅路の拠点に選んだのはブルゴーニュだった。「ブルゴーニュを選ぶことは必然だったと思う。僕の家族はもともと、祖父の代までラドワ・セリニーでドメーヌを運営していた。1980年代に他の人に売却し、僕たち家族はパリへと移住した。家族のルーツがあるこの場所でワイン造りに挑戦したいと思ったんだ。」アドリアンは2018年にブルゴーニュへと移住した。ボーヌの栽培・醸造学校 CEPPA で学び、その後、ラドワのドメーヌ・シュヴァリエで2年間ワイン造りを学んだ。2021年には、ブルゴーニュ・アリゴテ、メルキュレイのブルゴーニュ・ルージュ、コート・ド・ブルイィなどの買いブドウからワインを造り、自らのプロジェクトを開始した。現在はアルヌー・ラショー、クロ・ド・タールなどトップドメーヌの栽培コンサルタントとして知られるベルナール・ジトの協力を得ながらワイン造りを行っている。

 

声高ではない強さ―注目される存在感

初ヴィンテージをリリースして以来、アドリアンは静かに、しかし確実に業界内の注目を集めている。彼の名が最初に広く取り上げられたのは、ブルゴーニュ専門メディア Winehogだった。デンマーク出身の評論家スティーン・エーマンは、アドリアンを“ブルゴーニュにおける new name”として紹介し、高く評価した。特に初リリースの“レ・メ”に対しては、「張り詰めた緊張感と、表現を急がない奥行きがある」とコメントを残している。注目すべきは、彼のワインが派手なスタイルや市場性を狙ったものではないという点だ。生産量はごく少量で、マーケティングに頼らず、試飲を通じて業界人の間で静かに広がってきた。その結果、2023年にはパリやロンドンのワイン関係者の間でも話題となり、ソムリエやバイヤーたちが密かにリリースを追いかける存在となっている。さらに、会員制ワイン販売プラットフォーム Crurated でも、アドリアンのプロフィールページが設けられ、彼の家族の歴史や各区画の背景、醸造哲学などが丁寧に紹介されている。Crurated では著名ドメーヌだけでなく、彼のような新世代の造り手にも同様の扱いがなされており、限られた生産量ながら確かな存在感を放つワインとして紹介されているのが印象的。いま、ブルゴーニュの未来を担う名前として、アドリアンは着実にその存在感を高めつつある。控えめで寡黙なスタイルのなかに、深い思想と土地へのまなざしを宿したワインは、業界内で“静かなるスター候補”として期待されている。

 

ピュセルに隣接する区画”レ・メ” 

2022年、アドリアンはピュリニー・モンラッシェのLes Meix(レ・メ)という区画に18列、0.24haのブドウ畑を購入した。レ・メはプルミエ・クリュ、ピュセルの東側に隣接し、ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェの対角に位置する。アドリアンはレ・メの中でもピュセルに最も近い西側の区画を所有している。ここには樹齢65年のブドウが植えられており、アドリアンは区画を購入した2022年からオーガニック栽培に転換した。「畑にはある程度の下草を残すことで、土壌中に空間ができ、エアレーションが可能になる。柔らかい土壌を保つことが重要。それによって土壌は湿度を保つことができ、温度が上がりすぎない。これは今の温暖化の中で非常に大切なんだ」と、畑でのアプローチを語る。また、土壌の柔らかさを保持するため、耕作は馬で年に2回行っている。ブドウは多様性を得るためにマッサル・セレクション。ブドウの実がなるべく大きくなりすぎないように剪定しているという。その目的としては、一つはブドウ自体がしっかりとした熟度を得ること、もう一つは通気性を高め、病気のリスクを下げると同時に均一的なブドウの成熟を促すことである。「ブドウはとても優秀で、難しい気候や土壌であっても適応することができる。でも、だからといって何もしないわけではない。ブドウ自体が自ら守り、成長する手助けをするだけだ。」

参照: https://olivier-leflaive.com/en/wine/puligny-montrachet-les-meix-2021/ 

 

2024年までは、エクス・ニヒロやアドリアン・ラター、アイシー・リウなど今をときめく若手生産者とともに、シャサーニュ・モンラッシェの共同セラーでワイン造りを行っていたが、2025年にオーセイ・デュレスに古い家を購入。セラーへの改築を進めており、今後は自らのセラーでワイン造りを行い、理想を追い求める。また、2024年にはサントネー・プルミエ・クリュのLe Clos Rousseau、オーセイ・デュレス・プルミエ・クリュLes Duressesにも畑を取得。今後の活躍から目が離せない。

価格 : 11,000円(税込)
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